水槽等に使用されるアクリルの特性

水槽等に使用されるアクリルの特性

水族館の巨大水槽等で使用されているアクリル樹脂は、プラスチック素材の中で最も高い透明性と、何千トンもの水圧に耐えうる程の強度と耐久性を併せ持つ素材で、重厚な質感も相まって「プラスチックの女王」とよばれています。

 

一番の特長と言える透明性は、光線透過率が93%で、ガラスの光線透過率92%より高く、巨大水槽以外にも、深海探索用の潜水艇や、戦闘機の風よけにも使用されています。

 

透明性の高さもさることながら、高い耐候性も兼ね備えており、太陽光や風雨、雪等の厳しい気象条件下での使用でも、10年から20年は劣化しない程の耐候性があります。
温度適応力は、マイナス40℃からプラス65℃で、その優れた耐候性は、電飾看板のカバーや自動車のランプレンズ等に使用され、他のプラスチック素材に見られない耐候性を存分に発揮しています。

 

続いて、安全性の面から見てみると、表面がアルミニウムとほぼ同等の強度を持っていることと、耐衝撃性にも優れたアクリル樹脂は、ガラスの耐衝撃性を1とした場合、10倍から16倍の強度を持っており、厚みを持たせることで強度を上げることが可能ですが、万が一破損した場合でも、ガラスのように破片が飛び散るようなことがありませんし、高電圧に耐えられる絶縁素材としても幅広く利用される程電気絶縁性も高く、安全性は高いと言えるでしょう。
しかし、燃焼性に関しては木材等とほぼ同程度で、着火温度は400℃と高く、遅い燃焼速度で引火性はありませんが、炎や高温の近くでの使用は好ましくありませんので注意が必要です。
ちなみに、万が一燃えてしまった場合でも、一般的な消火方法で消火可能なので安心してください。

 

また、比重が1.19と軽い素材で優れた加工性を持つアクリル樹脂は、金型を使った射出成形や押出成形、真空成形や圧縮成形、注型等の加工法に対応しており、加工されたアクリル樹脂自体も、切断や穴あけ、曲げや研磨等、加工の自由度が高く、接着剤で貼り合わせることも可能です。
ただ、温度が10℃変化すると、長さ1mのアクリル樹脂は、約0.7から2mm程伸縮してしまいますし、湿度によっても伸縮する性質があるので、加工時には注意が必要です。

 

このように、アクリル樹脂は、透明性や耐候性、電気絶縁性や加工性等に優れた機能性を持ちながらも、可燃性があることや伸縮性があること、強い衝撃に弱いという短所を併せ持っています。
一般雑貨の素材としても多く利用されているアクリル樹脂なので、長所と短所の知識を持って利用すれば、より安心して使用することができるでしょう。